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【幼少期】
私は1歳の頃から重度の喘息患者で、ほぼ毎日のように発作を起こして苦しみました。1ヶ月のうちで発作を起こさない日は一日か二日だけという高頻度の発作で、何度も死の危険に晒されながら生きていました。喘息発作を起こしている時には病人であるにもかかわらず布団の上で横になることはできません。横になると気管が圧迫されてさらに苦しさが倍増します。気管をなるべく開いた状態に保つために座った状態で発作と戦わなくてはなりませんでした。眠ることもできないのですから幼い私には生き地獄でした。
そんな闘病生活を送る私に少しでも気晴らしをさせてやろうと考えた母が座った状態でも気がまぎれる方法を色々試してくれました。その一つにNHK教育テレビを一日中見せ続けるという方法がありました。民放では幼児にふさわしくない内容の番組も流れています。その点、NHK教育テレビは安心だったのです。母の当初の目的は幼児向け番組を見せることでした。「ノッポさん」など私が好きだった番組の内容を未だに覚えています。ところが教育テレビでは幼児向け番組ばかりを放送しているわけではありません。例えば小学校6年理科など幼児が見ても理解しがたい番組もあります。一日中教育テレビをつけっぱなしにしておくわけですから、私の意志や興味に関わらず幼児向けよりも高度な内容の番組も見続けることになります。不思議なことに内容も理解できないはずのそれらの番組に対して私は好奇心を抱きました。そして内容をどんどん理解するようになっていったのです。小学校レベルはもちろん、高校数学なども理解して楽しんで見ていたのですから2〜3歳から幼稚園児としてはかなり特殊な興味と理解力を持っていたようです。
喘息発作に耐える気晴らしに教育テレビを見せる他に本を読ませるという方法も試されました。これは祖父が買い与えてくれたのですが、幼児向けの絵本などではなく、大人が読む図鑑などが主でした。図鑑なら文字が読めなくとも絵や写真を見るだけで楽しめます。祖父は図鑑のシリーズを全部揃えてくれました。動物、植物、天体宇宙と様々なジャンルの図鑑を読み漁りました。私の趣味に合っていたのです。不思議なことに絵や写真だけを見て楽しむものだったのですが、解説の文章も理解できるようになっていきました。誰が教えてくれるわけでもなく、難しい漢字も文脈から自分で独自の解釈をして読み進めていました。文章を読む教育を受けたことはないので、私の解釈は間違っていたのかもしれませんが、自分で楽しむ分には何の問題もありません。図鑑を全巻読破した後は、一般教養程度の主に科学関係の書物を与えてもらって読みふけりました。文学的なものには一切触れていません。
こうした幼児体験から、私は科学というものに対して幅広い興味を抱くようになりました。幼稚園にも通う以前に自分の将来について母にこう語っていたとのことです。「大人になったら大学院に行って科学者になりたい」と。この時の気持ちはその後も変わらず、実際に私は京都大学で科学者になる訓練を受け研究員という立場で科学者になることを実現しました。知的好奇心が非常に旺盛な子供だったようです。母や祖父は気晴らしのために私にテレビや書籍を与えたに過ぎず、教育の目的は皆無でした。私が自分の意思で面白いと感じていたからこそ知識をどんどん吸収していったのです。
幼稚園には所属はしておりましたが、毎日のように続く喘息発作のせいで1ヶ月に一日程度しか通うことができませんでした。幼稚園ではひらがなの書き方などを教育していたようですが私はその教育を受けていません。小学校に上がる頃になると喘息発作の頻度が急激に下がり、病気がちではあるものの小学校には無事通えるまでに回復しました。小学生の頃の私についてはまた別の機会にお話しさせて下さい。
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